(※子供が英語を習得していく過程は、取組む年齢が大きく影響しますが、この講座では、小学生から本格的に英語を始めて基礎英語の習得を目指す…という年齢層を対象にしています)
子供が将来的に英語ができるように育てたいと考えると、つい「英語が喋れる!」というワードが浮かびがちだと思います。それはそれでとても良いことだし、流暢に英語が喋れることは非常に好ましいことです。
これまでの日本の英語教育が「読んで訳す」ことが中心で、結果、英語を聞き取って英語を話すという部分のスキルが高くないことが顕著であるためか、英語を話せるようになるには、とにかく話すことが必要だと考えがちが人が結構おられます。
ただ、その考え方は、正直、危険だと思います。
文法ばっかり勉強しているから、いつまでたっても話せないんだ…だから文法よりもスピーキングに時間を割くべきだ!…このような物言いは、一見説得力があるかのように聞こえますが、実は大きな勘違いをしている状態でもあります。
英語が話せるようになるには、そこに到達するまでに様々な基礎的な部分を習得していく必要があることは同時に注目しなければなりません。
(※幼少期から十分に英語に触れ、日本人が日本語を習得するような流れで英語を習得するよなケースの場合は該当しません。)
読んで書いて聞いて話す、いわゆる4技能バランス良く、ということが昨今言われていますが、その4技能の隣に「文法や語彙力」が存在しているわけではありません。
文法ルールの知識や語彙力は、「読んで書いて聞いて話す」の下の部分に「土台」として存在しているものです。
文法ルールや語彙力を無視して、例えば、オンライン英会話でひたすらフリートークだけやっていて、その子の英語力が伸びていくと思いますか?
確かに、浅い部分の英語でのやりとりはできるようになるかもしれませんが、少し深い話題で論理的に相手に伝えたり、やや専門的な話になったりすれば、聞き取れない、話せない…という状態に陥ります。
文法ルールや語彙力の欠如が、その主な原因です。
結局は、文法ルールは、その言語の基本的な約束事であり、それが正しく使われた状態であるから、今、僕が伝えていることが皆さんに理解できるわけだし、皆さんが僕にメールなどでご質問などを頂いた際にも、僕の方で何を聞きたいのかが理解できるってことです。
つまり、私達日本人も日本語において正しい日本語文法に沿って話したり書いたりしているわけです。
私たちは特段、日本語文法を勉強してこなかったですが、正しい日本語を使っていることだけは間違いありません。
なので、英語においても、文法学習が必要かどうかということではなく、少なくとも正しい英語の文法ルールが身に付いた状態になることは、絶対的に必要なことと言えます。
それは英語を読む時に大いに寄与しますし、英語を書くときにも寄与しますし、英語を聞き取るときにも寄与しますし、そして、もちろん、英語を話すときにも確実に寄与します。
なので、読んで書いて聞いて話すという4技能バランスよく伸ばしていくには、結局はしっかりとした英語の基本ルール=英語の文法の知識や豊富な語彙力は必ず必要になります。
どのようなやり方をするかはパパママ次第なのですが、いずれにしても、英語の基本ルールである文法知識や語彙力を無視して、高い英語力は身に付かないってことをしっかり理解して、どういうやり方であれば、その知識を子供に上手く習得させられるだろうか?
….という考え方、アプローチができれば、子供の英語力はバランスよく健全に高いレベルにまで伸びていくことが可能になります。
ぜひぜひこの部分、意識して上手く活用してほしいなと思います。