直接法と間接法 両方を経験してきました

直接法がいいのか、間接法がいいのか…。

なかなか決断が難しいという方々もおられるかもしれません。

そこでこのコラムでは、私が両方を体験した時の実際の事例をお話してみます。

この講座では、基本的には間接法を勧めていますが、お子さんの現在のスキルのレベルや、整えられる環境次第では、直接法でも効果を期待できる場合があります。

参考になれば幸いです。

中国語の時は直接法を選択

私の娘の場合、中国語は直接法でした。

年齢的には幼稚園を卒園したタイミング。

スクールのスタイルは、

・朝から夕方まで
・月曜日から金曜日まで

というものでした。

1日約7時間で週5回なので、週35時間という徹底集中スタイルでした。

ほぼ1日中、中国語漬け…という日々を合計2か月送った格好です。

当時6歳で、年齢の条件もしっかり満たせていたので、

2ヵ月後、基本的な会話がスムーズにできるレベルに到達し、

同年代の中国語ネイティブと1日中一緒に過ごしても、意思疎通に全く困らないようになっていました。

なぜ直接法が機能したのか?

直接法での習得がかなり上手くハマった好例だと思いますが、では、なぜ上手くいったのか?

それは一重に「直接法が機能する3つのポイント」が押さえられていたから…
これにつきます。

3ポイントをおさらいしておくと、

  • 年齢が低いこと(言語吸収力が非常に高い状態)
  • 圧倒的な接触頻度
  • 最適なカリキュラム

上記の3つになりますが、娘の中国語習得時のケースに当てはめて見ていきます。

①年齢が低いこと
当時、娘は6歳であり、言語吸収力が非常に高い状態でした。

②圧倒的な接触頻度
月曜日から金曜日まで、朝、スクールへ送っていき、夕方に迎えに行くスタイルでした。

ランチも給食スタイルで出されたので、約7時間程度、中国語の環境下で過ごしていました。

③最適なカリキュラム
中国語が母語でない子供が「中国語を直接法で学ぶ」ためのカリキュラムがしっかりと整っていました。

以上、物の見事に3ポイントを確実に押さえた格好になっていました。

今振り返ると継続期間もかなり理想的で、「2ヶ月」という期間は、この圧倒的に集中的な習得スタイルにこの上なくフィットしていたと感じています。

英語の時は間接法を選択

これに対し、英語は間接法でした。

小学校2年生の時にスタートし、1回2時間のレッスンを週2回の頻度で全3年半のカリキュラムでした。

レッスンに加え、かなりの量の宿題が出され、結果的には1日2時間以上英語に触れる日が週4~5日程度ありました。(レッスン当日を含む)

仮に接触した日数を週4.5日として計算すると、1日2時間×4.5日=週9時間という計算です。

このペースで3年半が終了したころには、中学高校の基礎英語を一通り修了し、

ネイティブ講師の英語がほぼ聞き取れて、年相応の受け答えで普通に会話が成立していました。

さらに小学校卒業の時点で、対策ゼロで英検2級を受けたところ、1次試験に、あと9点であわや合格…というレベルにまで到達していました。

なぜ間接法が機能したのか?

こちらはこちらで、間接法での習得がかなり上手くハマった好例だと思いますが、では、なぜ上手くいったのか?

それは一重に、直接法が機能する環境は整えられないと判断した上で間接法を選択し、その上でその他の必須ポイントが押さえられていたから…。

これにつきます。

つまり、

  • 直接法か間接法かの判断が的確にできた

その上で、

  • 最適な講師属性
  • カリキュラム
  • 4技能アプローチ
  • 接触頻度
  • 定着度が高まる仕組みがあるか

これら残りの5ポイントを押さえることができたためです。

必須の6ポイントの全てはまだこれから詳しい解説となるのですが、それぞれ簡単に、今回のケースに合わせて触れておきたいと思います。

①直接法か間接法かの判断
娘は小学校2年生から英語教室に参加しましたので、年齢的にはちょうど8歳になったばかりでした。

年齢だけ見れば直接法でも機能します。

ただ、娘は台湾で育っていて、日本と同じく非英語圏なので、直接法に必要な圧倒的接触頻度を確保するのは難しい状態です。

結果的に間接法を選びましたが、これがまさに最適な選択でした。

②最適な講師属性
中国語で文法や表現の詳細を解説できるアメリカ人でした。

つまり間接法で英語を教えられるネイティブ講師、という最高の属性でした。

ただ実際は、ここまで理想的な講師属性にはまれです。

現実的にはバイリンガル日本人講師、又はネイティブ講師と日本人講師のセット属性などになります。

③カリキュラム
間接法で、3年半で基礎英語の習得が修了できるカリキュラムが準備されていました。

教材、ワークブックがあり、それらがCDの音声教材と連携していました。

④4技能アプローチ
レッスン、宿題の全てにおいて、読んで書いて聞いて話すの4技能によるアプローチが徹底されていました。

⑤接触頻度
レッスンは1回120分が週2回あり、それ以外はかなり量の多い宿題が出たため、実質、1日2時間を週4日以上の接触頻度が実現する形になっていました。

⑥定着度が高まる仕組みがあるか
レッスンでは、頻繁に小テストや、前に立ってオーラルで質問に答えたり、半年に1度、学期末の大きなテストがありました。

テストなどは子供にとっては嫌なものですが、これがあったために、確実に復習する習慣がつき、習った内容をかなり高いレベルで定着させることができました。

以上、こちらも物の見事に必須6ポイントを確実に押さえた格好になっていました。

このスタイルでクラスメイト15名でスタートしたわけですが、全カリキュラム修了の3年半後には、クラスメイト全員が皆、基礎英語がしっかり身に付いたレベルに到達できていました。
(※アメリカへ移住していった1名を除く)

間接法で進めた英語習得に関しても、必須6ポイントを理想的な状態で進めることができたため、想定以上の結果を得られたことは必然だったと考えています。

このコラムのまとめ

直接法でも間接法でも、それぞれがしっかり機能する環境が整っていれば、どちらでも納得のいく成果を確実に出すことは可能だということを、実体験を通じて体感してきました。

要は、我が子がどのような環境下で語学習得をしていくことになるのか…そこを的確に分析し、最適な環境、方向性をセッティングできさえすれば良いということになります。